教育長ブログ

文科省→起業→熊本市教育長。45歳。悪性リンパ腫サバイバー。

本の感想

辻村哲夫、中西茂著『もう一度考えたい「ゆとり教育」の意義』を読みました。

辻村哲夫 元文部省初等中等教育局長。20年振りに元上司の名前を見つけました。以前からお世話になっている中西茂さんとの共著とあれば、買わないという選択肢はない、ということで即買いです。 辻村元局長は、部下として働いたのは数か月間だけだったことも…

前田康裕著『まんがで知る 未来への学び3』を読みました。

前田康裕著『まんがで知る 未来への学び3』を読みました。 シリーズ3作目にして完結編です。本書は、これまでの2冊、そして前シリーズ「まんがで知る教師の学び」の3冊と比べても、特徴的な点があります。それは…「コマ割りが細かい」。それだけ1ページ…

前田康裕著『まんがで知る未来への学び2』を読みました。

前田康裕著『まんがで知る未来への学び2』(さくら社)を読みました。 名著です。なぜなら、私も少し登場しているから。という前にも言った冗談はさておき、とても読みやすく考えさせられる本です。 これから少子高齢化がますます進み、人口も減ってきます…

アンドレアス・シュライヒャー著『教育のワールドクラス 21世紀の学校システムをつくる』を読みました。

9月にシュライヒャー局長をお招きした際にご本人から直接頂いたのですが、なかなか読めず、ようやく読み切りました。とても学びの多い本でした。 この本の強みは、書かれていることの多くが、OECDが長年積み重ねてきたPISA等のデータに裏付けられていること…

小熊英二著『日本社会のしくみ』を読みました。

小熊英二著『日本社会のしくみ』を読みました。 新書でありながら、約600ページという大著です。日本型雇用について、例えば「終身雇用なんて大企業だけだよね」というイメージはあっても、実際はどうなっているのか。本書は、それを文献やデータで徹底的に…

辻和洋・町支大祐編著、中原淳監修『データから考える教師の働き方入門』を読みました。

横浜市教育委員会と立教大学中原淳研究室の共同研究をまとめた書。「データに基づけ、しかし、リアルな物語を編め」をコンセプトとしていて、タイトルからは小難しい内容かと思いきや、とても読みやすく、サクサク読み進められます。 実際にどんな特徴を持っ…

苫野一徳著『愛』を読みました。

苫野一徳著『愛』を読みました。 「自由とは何か、それはいかにして可能か」を解き明かした苫野先生が、「愛とは何か、それはいかにして可能か」を解き明かした、構想20年という力作です。 愛とは、なんでしょうか。必ず最後に勝つものか、世界の中心で叫…

合田哲雄著『学習指導要領の読み方・活かし方』を読みました。

文科省の合田財務課長のご著書です。本書については、何度も読んで何度も考えたことがたくさんあるのですが、起承転結という感じで4つにまとめてみました。 1.著者について 平成20年・29年と二度の学習指導要領の改訂に携わられた合田課長は、新指導要領…

住田昌治著『カラフルな学校づくり』を読みました。

住田昌治著『カラフルな学校づくり』を読みました。 最初は、表紙の雰囲気から、本当に校舎の壁や教室をパステルカラーに塗ったりする話かと思いましたが、全く違いました。ESDに学校全体で取り組むことを通じて、学校自体を元気で持続可能なものにしていっ…

大江浩光著『わかる!特別支援教育のリアル』を読みました。

鹿児島の実践家、大江浩光先生から、ご著書『わかる!特別支援教育のリアル』をご恵贈頂きました。教員だけでなく保護者向けの書でもあるので、読みやすく、かつ、具体的・実践的に書かれています。 本書の中で、大江先生は、特別支援教育においてつける力は…

青木栄一編著『文部科学省の解剖』を読みました。

これまで行政学的な分析がほとんど行われてこなかった文部科学省に関する研究ということで、たいへん興味深く、面白く読みました。 他省庁と比べて、総理や官邸への影響力が少ない、財務省に弱い、族議員や関係団体との内輪の付き合いが多い、という、日頃か…

苫野一徳著『ほんとうの道徳』を読みました。

苫野一徳先生から、ご著書『ほんとうの道徳』をご恵贈いただきました。 この本は非常に感想が書きにくい本でした。読んでからも何を書こうか悩み、少し寝かせておきました(笑)。なぜなら、日頃から苫野先生とよくお話をし、ご著書や記事もそれなりに読み、…

岡本薫著『教育論議を「かみ合わせる」ための35のカギ』を読みました。(本の感想と少しの思い出)

少し古い本ですが、大空小学校の木村泰子先生と麹町中学校の工藤勇一先生が共通して影響を受けたということで、最近また話題になっている本です。 15年以上前の本ですから、当時と今とでは状況が変わっている部分もありますが、今でも変わらずに教育論議の課…

ユヴァル・ノア・ハラリ著『ホモ・デウス』(柴田裕之訳)を読みました。

令和最初の読書は、ユヴァル・ノア・ハラリ著『ホモ・デウス』でした。 人間至上主義からデータ至上主義へ。人間の知識と経験に基づくよりも、データとアルゴリズムに基づく方が、はるかに正確な判断ができるようになった時、人間は何に基づいて行動するのか…

渡辺靖著『リバタリアニズム』を読みました。

平成最後の読書はこちら。渡辺靖著『リバタリアニズム』。 自由市場・最小国家・社会的寛容を重んじるリバタリアン。政府の介入は最小限に、他人の自由への干渉も最小限に、というのが基本的スタンスです。 著者は日本には「存在しないに等しい」と書いてい…

森絵都著『みかづき』を読みました。

塾の話です。学校が圧倒的な存在であり、塾に行くことは後ろめたいとされていた時代から、塾の全盛期、そして現代まで。塾を創業した一家の三世代にわたる波乱の物語です。少しボリュームがありますが、面白くどんどん読めます。 この物語では、文部省は極悪…

苫野一徳著『「学校」をつくり直す』を読みました。

苫野一徳先生にご著書『「学校」をつくり直す』をご恵贈いただきました。 名著です。なぜなら、私も「あとがき」にちょこっと登場しているから。というのは冗談ですが(笑)、苫野先生がこれまでのご著書で展開されてきた理論をもとに、「新しい学校をつくろ…

前田康裕著『まんがで知る未来への学び』を読みました。

前田康裕先生のご著書『まんがで知る未来への学び』を読みました。「教育を盛り上げる会 in 熊本」で一緒に活動させていただいています。 学校は「先生と生徒」だけを考えていればよい、閉じた世界ではなくなっています。では、学校を開くとはどういうことか…

藤原辰史著『給食の歴史』を読みました。

藤原辰史著『給食の歴史』を読みました。 明治期からの学校給食の歴史を丁寧にまとめた一冊。戦後の給食の話は多少聞くことはあっても、戦前の給食の話は知らなかったので勉強になりました。 中でも、熊本女子師範学校附属小学校の給食が「日本給食史の最上…

ハンス・ロスリングほか著『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』(上杉周作、関美和訳)を読みました。

ハンス・ロスリングほか著『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』(上杉周作、関美和訳)を読みました。 世界は私達が思っているより良くなっている、ということを明確なデータで示している本。 どうやら私達が持っている「途上国」のイメージは、30年前から…

ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』(柴田裕之訳)を読みました。

世界的ベストセラーとのことで、遅ればせながら読んでみました。上下巻で長いですが、文章が読みやすく面白いので、あまり苦労せずに読めました。 日本で真面目に学校教育を受けた人にとっては、ものすごく目新しいことが書いてあるわけではありません。が、…

パウロ・コエーリョ著『アルケミスト』を読みました。

最近読んだ本(どれか忘れましたが...)で引用されていたので、気になって読んでみました。世界で1億部以上売れている超ベストセラーで、『星の王子さま』と並び称される名作といわれています。 少年が旅をする話です。夢で見た宝物を探して砂漠を旅します…

フレデリック・ラルー著『ティール組織』を読みました。

フレデリック・ラルー著『ティール組織』を読みました。 組織の意思決定というと、まず思い浮かぶのはトップダウンかボトムアップかという話です。しかし、それはどちらもピラミッド型組織の中での意思決定の方法で、情報の流れる向きが違うだけ。トップとボ…

福島創太著『ゆとり世代はなぜ転職を繰り返すのか?』を読みました。

福島 創太さんに、ご著書『ゆとり世代はなぜ転職を繰り返すのか?』をご恵贈いただきました。 「やりたいこと」を突き詰め、仕事を通じて自己実現する「自律的キャリア」を目指すべきという考え方は、もともと社会が若者に求めたものでした。しかし、その考…

工藤勇一著『学校の「当たり前」をやめた。』を読みました。

工藤勇一著『学校の「当たり前」をやめた。』を読みました。 事前情報が多すぎて、読む前から読んだ気になっていた一冊ですが(笑)、期待通りの内容です。この本を読んで「当たり前を見直してみよう」と行動に移す学校がどんどん出てくれば嬉しいですね。も…

日向野幹也著『高校生からのリーダーシップ入門』を読みました。

熊本市立必由館高校でリーダーシップの授業をして頂いた日向野幹也先生に、ご著書『高校生からのリーダーシップ入門』をご恵贈頂きました。 権限によらないリーダーシップ(リーダーシップとオーソリティ)や、ダンスフロアとバルコニーといった、私もケネデ…

中村高康著『暴走する能力主義』を読みました。

中村高康著『暴走する能力主義』を読みました。 タイトルから想像する「能力主義が行き過ぎて困っちゃう」という内容ではなく、「能力主義が代案もないまま批判されすぎて困っちゃう」という本。 「これからの時代は○○力が必要」といった能力観が次から次に…

日野田直彦著『なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか⁉︎』を読みました。

日野田直彦著『なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか⁉︎』を読みました。 いわゆる普通の公立高校を、海外の大学にもどんどん進学する活気ある高校に変えた、民間人校長の話。日野田さんのビジョンと行動力に加えて、…

泉薫子『お母さん精神科医の育児クリニック』を読みました。

熊本市教育委員会の 泉薫子 教育委員(精神科医)の著書『お母さん精神科医の育児クリニック』を読みました。 いじめ、不登校、発達、性自認など、様々な問題に、建前ではなく本音で、時には厳しさも含めて回答しています。「最終的には子ども自身で乗り越え…

佐藤昌宏『EdTechが変える教育の未来』を読みました。

佐藤昌宏『EdTechが変える教育の未来』を読みました。 一読すると、教育の未来像というより、宣伝か?と思うほど、EdTech関連の企業やサービスの羅列が続きます。つまり、カタログです。国内外のEdTechサービスを列挙した「EdTechカタログ2018年版」だと思え…