教育長ブログ

熊本市教育長(H29.4~) facebookの投稿から主なものを転載しています。 https://www.facebook.com/hiromichi.endo

日本教育新聞

フリースクール等での学習成果:学校の成績評価への反映を迅速に

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて掲載します。 ・・・ ・学校教育法施行規則の改正で変わる対応 今年8月、学校教育法施行規則が改正され、不登校児童・生徒が自宅やフリースクール等で行った学習の成果について、一定の要件を満たす場合に、学…

「全国」ではなく「ここ」でしかできないことを

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて掲載します。 ・・・ 先日、東京都のある小学校と、山形県のある中学校を訪問する機会を頂いた。私が勤める熊本市の学校とは大きく異なる両校の状況に、日本の広さを感じずにはいられなかった。 東京都の小学校…

始まる中学校の教科書採択:当事者である子どもの意見 反映しよう

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて掲載します。 ・・・ 今年は、4年に1度の新しい中学校教科書の採択年である。各地の教育委員会では、夏の採択に向けて準備が始まっている。 ご承知の通り、教科書の採択は、公正が確保されるよう厳密な手続き…

時代とともに変わる資質・能力:「AIの苦手分野が人間の役割」から脱却を

日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いてブログに転載しました。 ・・・ 技術の進歩は、私たちが必要とする資質や能力に絶えず変化をもたらしている。教育の世界ではしばらくの間、知識の暗記よりも、思考力、判断力、表現力や課題解決能力が重要だとい…

身代わりロボットで授業を受ける時代: 助かる子が一人でもいるなら、やる価値はある

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 自分の代わりにロボットが学校に行く…というとSFの世界のように思われるかもしれないが、それが現実になろうとしている。 熊本市では、不登校の子どもがロボットで授業を受けるという実証研究の予…

次期学習指導要領に向けた課題:学校に来る子だけ相手にすればよいのか?

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 次期学習指導要領に向けた議論が始まっているが、これまでの学習指導要領にも、現在の学習指導要領を巡る議論にも、根本的に欠けている視点がある。それは「学校に来る子どもだけ相手にすればよい…

AI時代の教育(その2) :義務教育の役割自体の見直しが必要に

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 前回(3月20日付)に引き続き、AIによって教育がどう変わるのかを考えてみたい。 AIがもたらすのは、仕事や社会の在り方の変化であり、産業革命で起きた変化と同等のものといえる。産業革命によ…

AI時代の教育:必要なのは資質・能力の「向上」ではなく「転換」

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 世界中の教育関係者の間で、AIの劇的な進化が話題となっている。きっかけは、対話型AIのChatGPTの登場である。筆者もよく使っているが、質問にスラスラと回答する様にはいつも驚かされる。その後も…

教育長だより ー 遊びと学習

※月刊「日本教育」に寄稿した記事を、許可を得てブログに転載させて頂きます。 先般、ご縁があって「あそび庁」のアンバサダーに就任させて頂いた。あそび庁といっても、国の役所ではなく、民間団体(一般社団法人)である。最初に見た時には、そんな名前ア…

こども家庭庁の発足:地方自治体も体制整備を進めよう

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 本年4月1日、内閣府の外局として「こども家庭庁」が発足する。こども家庭庁には、これまで各省庁が別々に行ってきたこども政策の総合調整を担い、こどもの視点に立った政策の司令塔としての役割…

文科省「問題行動調査」―自治体ごとに違う「不登校」の基準:「長期欠席」に一本化し支援を行き渡らせて

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 先月、文科省から「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が発表された。各メディアも一斉に不登校が過去最高の24万人だと報道した。 しかし、この不登…

増加する非一条校 ― 就学義務をどう考えるか:「子どもの最善の利益」実現へ方策検討を

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 先日、あるインターナショナルスクールを訪問させていただいた。大自然の中にあるそのスクールは、学校教育法上の学校(一条校)ではないため、そこに通っても日本の義務教育を受けたことにはなら…

こども基本法―学校も理念の実現を

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 去る6月15日、こども基本法が成立した。児童の権利条約の批准から28年を経て、ようやく対応する国内法が整備されたことの意義は大きい。 この法律の基本理念には、児童の権利条約の四つの一般…

Withコロナの学校活動へ: 感染対策と子どもの成長 両立させる方策を

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 学校でのコロナ対策が始まってから2年以上がたった。この間、教職員は日々の感染防止対策に奔走し、子どもたちも、授業、給食、学校行事、部活動など、学校生活の全面でさまざまな制約を課されてき…