教育長ブログ

文科省→起業→熊本市教育長

青木栄一著『文部科学省-揺らぐ日本の教育と学術』(中公新書)を読みました。

以前こちらにも書いた『文部科学省の解剖』の青木栄一さんによる新書です。所々「ん?」と思う箇所もあるものの、概ね納得の内容だと思いました。 本書で印象的なのは、現在の教育政策が官邸や他省庁の「間接統治」であるという主張です。ご存知のとおり間接…

教育新聞編「FUTURE EDUCATION! ―学校をイノベーションする14の教育論」を読みました。

14人のイノベーターにインタビューした記事をまとめた書籍です。その中で私が一番印象に残ったのは、野依良治先生です。特に「科学者として成功した人は、しばしば変人奇人で、非社交的です。良い子ではない。」という部分は説得力がありました。そういう人…

校則に関する規則改正を行いました。

昨日の教育委員会会議で、校則制定についての学校管理規則の改正を行いました。 ・校則は必要かつ合理的な範囲内であること ・校則の制定・改廃に教職員、児童生徒、保護者が参画すること ・校則を公表すること の3点を定めています。 学校管理規則は、学校…

中原淳監修『学校が「とまった」日』を読みました。

臨時休校中の生活や学びの状況について、高校生や保護者への調査に基づいて分析した本です。 まず驚くのは、調査の時期です。昨年5月、つまり、まだ休校中に調査を行っています。私達も日々、正解がない状況の中で、できることをやろうと奮戦していたわけで…

「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について

中央教育審議会に「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」諮問されました。 教員免許等について議論が行われるとのことで期待していますが、この諮問文を読んだ率直な感想は、教師に高い資質能力を求めすぎているという…

苫野一徳著『別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業「社会契約論」』を読みました。

熊本市教育委員も務められている苫野先生の著書です。 自由学園での講義をもとに書籍化した本なので、本来は難しいはずのルソーの思想について、中高生向けにとてもわかりやすく解説されています。 「よい社会」とは何か?という問いについて考えた『社会契…

校則・生徒指導のあり方の見直しについて議論しました。

2/25の定例教育委員会会議では、校則・生徒指導のあり方の見直しについても議論しました。12月の会議に続き、2度目の案の提示です。ポイントは以下のとおりです。 (1)「豊かな人生とよりよい社会を創造するために、自ら判断し主体的に行動できる人を育む」…

熊本市立高校・専門学校改革の素案を発表しました。

2/25の定例教育委員会会議で、熊本市立高校・専門学校改革の素案を発表しました。 ①普通科から探究科への転換 ②必由館高校に附属中学校を設置 ③千原台高校に通信制課程を設置 ④ビジネス専門学校は起業家育成を重視 ⑤高校は30人、附属中は25人の少人数学級 な…

国立教育政策研究所の教育改革国際シンポジウム

2月16日に開催された国立教育政策研究所の教育改革国際シンポジウムで、熊本市から教育センター副所長の本田が発表させて頂きました。 「ICTを活用した公正で質の高い教育の実現」というテーマのシンポジウムで、熊本市は「『できるところからやる』ことが、…

一人でもthey

clubhouseでは、「Let them in!」とか「Follow them?」とか聞かれます。最初は「ん?一人だよね?」と思いましたが、これは一人に対して「they」と使ってるんですね、きっと。he や she のように性別に言及しないように。そういう単数形の「they」を最近は使…

熊本市の令和3年度当初予算案が公表されました。

熊本市の令和3年度当初予算案が公表されました。 教育費は677億円で、前年度当初予算より微増となっています。一般会計総額に占める割合は18.1%です。内容としては、1人1台端末の運用、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー、読書関係事業な…

「MINIATURE LIFE展2 ―田中達也 見立ての世界ー」に行ってきました。

熊本市現代美術館で開催中の「MINIATURE LIFE展2 ―田中達也 見立ての世界ー」に行ってきました。「2」ということで、2回目です。前回は2018年に鶴屋で開催されましたが、今回は向かいの現代美術館なんですね。 食べ物や日用品と小さな人形で、色々なものに「…

ICTは文房具なのか?

よく「ICTは文房具だ」という言い方がされますが、実は私はその言い方には違和感があります。 文房具は普通、自己負担です。もし1人1台端末が文房具なら、全て公費で整備するのは変でしょう。なので、「自己負担でBYODにすべき」という主張の人が言うならわ…

「令和の日本型学校教育」の答申が出ました。

中教審の答申が出ました。「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申) 諮問が包括的でしたので、答申も包括的です。その分、量は多いです。今書けることは全部書いてあり…

なぜ「〇〇教育」は減らないのか。

教員の働き方改革の議論で、学校には「〇〇教育」が数多くあり、それが多忙化の一因となっているという指摘があります。しかし、実際には「〇〇教育」はなかなか減りません。なぜでしょうか。 実は、減らないのには明確な理由があります。それは、国会で「〇…

新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言(本県独自)を踏まえた熊本市立学校の対応について(お知らせ)

新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言(本県独自)を踏まえた熊本市立学校の対応について、教育委員会から保護者の皆様にお知らせを発出しました。 学校の安全・安心メール等を通じてお届けしますが、届く前でも内容はホームページからご確認いただけます…

今日から三学期です。

熊本市立学校は今日が始業式です。今朝は健軍小学校にお邪魔しました。 雪の予報でしたが、見事に晴れ。寒い中、子供達が次々に元気よく登校してくる姿を見ていると、こちらも元気が出てきます。始業式は各教室で、校内放送と動画でやっていました。 ちなみ…

2020年はとんでもない年でしたね。

2020年、今年はとんでもない年でしたね。「世の中ってこんなに変わるんだ」というのが今年の感想です。 画面越しで人と会話することや、黙って食事するのが良いことになるとか、みんなで集まって盛り上がることや、国境を越えて移動することが悪いことになる…

文章は、書くものではなく話すものになるのか?

音声入力を使ってみると、完璧ではなくても、とても便利で正確であることに驚きます。この記事も音声とキーボードの両方を使って書いています。これがさらに発達すると「書く」という作業はどうなるのかという疑問が湧きます。 文章を「書く」方法としては、…

ムーミン展、開催中です。

熊本市現代美術館のムーミン展、1/11まで開催中です。ムーミン好きの方ならミュージアムショップもオススメです。 子供の頃、テレビ埼玉で再放送をやっていて、よく見ていました。埼玉には最近ムーミン谷もできたそうですね。 ムーミン谷、みんな自然にのん…

今年最後の教育委員会会議を開催しました。

今日は、熊本市立学校の終業式でした。連日のコロナ対応でクリスマスイブ感もありませんが、なんとか落ち着いた年末年始を迎えられることを祈ります。 また、今年最後の教育委員会会議も開催しました。校則・生徒指導の見直し、市立幼稚園の今後のあり方、教…

受付は完了しました。

定期的に病院に行くのですが、自動受付機に診察券を入れると、 「受付は完了しました。」 という音声が流れて、診察券と紙が出てきます。その時、いつもかすかな違和感を抱いていたのですが、今日、その理由がわかりました。 「受付が完了しました。」 の方…

熊本市立図書館で県立図書館の本を貸りられるようになります。

熊本市立図書館・公民館等で、県立図書館の図書を貸出・返却できるサービスを始めます。両者を合わせると蔵書数約260万冊という大規模なネットワークとなります。来年1月13日からサービス開始です。詳しい利用方法などは後日、ホームページ等でお知らせしま…

1997年のオンライン学校

昨日の産経新聞に載っていた「教育のデジタル化」の記事を見て、驚愕してしまった。学校に通えない子供たちの支援として「フロリダ州は1997年に義務教育をオンライン上で受けられる『バーチャル学校』を開始した」とある。まさに今、熊本市が立ち上げようと…

Kumamoto Education Week 2020 へのご参加ありがとうございました。

Kumamoto Education Week 2020、おかげさまで全てのプログラムを終了することができました。新しいチャレンジであり試行錯誤の連続でしたが、熊本から新しい時代の教育を創る、第一歩が踏み出せたと思います。 リアルタイムでご覧頂けなかった方も、多くのプ…

校則・生徒指導のあり方の見直しに係るアンケート結果を公表しました。

昨日の教育委員会会議では、「校則・生徒指導の見直しに関するアンケート調査結果」を公表しました。教職員、児童生徒、保護者に、今の校則で見直すべき点があるか、児童生徒が参画する場が必要か、などについて聞いています。 回答者は5万人です。今年度は…

Kumamoto Education Week 2020 を開催します。(11/8〜15)

熊本市教育委員会では、11/8〜15に「Kumamoto Education Week 2020」を開催します。 ゆくゆくは日本中、いや世界中から教育関係者が集まるイベントを目指して、教育関係のイベントを集中的に開催するお祭りです。本来なら、皆様ぜひ熊本へ!というところなの…

辻村哲夫、中西茂著『もう一度考えたい「ゆとり教育」の意義』を読みました。

辻村哲夫 元文部省初等中等教育局長。20年振りに元上司の名前を見つけました。以前からお世話になっている中西茂さんとの共著とあれば、買わないという選択肢はない、ということで即買いです。 辻村元局長は、部下として働いたのは数か月間だけだったことも…

熊本市教育委員会のことを取材して下さった本が出ます。

『教育委員会が本気出したらスゴかった。』(佐藤明彦著・時事通信社)が来週発売になります。 熊本市の教育ICT整備について、丁寧に取材して頂きました。休校中に教育委員会が行ったことの克明な記録だけでなく、そこに至るまでの教育ICT整備の考え方・経緯…

熊本市の教育が目指すもの

熊本市の教育が目指すものを1枚で表したのがこちらです。先日の講演で使った資料です。 「豊かな人生とよりよい社会を創造するために、自ら考え主体的に行動できる人を育む」を、令和2~5年度の教育振興基本計画の基本理念(市長が定める「教育大綱」の要…