教育長ブログ

熊本市教育長(H29.4~) facebookの投稿から主なものを転載しています。 https://www.facebook.com/hiromichi.endo

井藤元・苫野一徳・小木曽由佳『教育観を磨く 子どもが輝く学校をめぐる旅』を読みました。

井藤元・苫野一徳・小木曽由佳『教育観を磨く 子どもが輝く学校をめぐる旅』を読みました。 「北九州子どもの村小学校・中学校」「伊那市立伊那小学校」「三河サドベリースクール・シードーム」「横浜シュタイナー学園」という特徴ある4校の実践を、実際に…

なぜ教員不足になるのか?(精神論ではなく需給構造の問題)

12月4日付けの日本教育新聞で、東京学芸大学の佐々木幸寿理事・副学長が「採用倍率の低下の原因は教職の魅力低下というより、需給問題と捉えるべき」と述べられています。 おっしゃる通りで、受験者数などのデータを見れば、魅力とか人気とか、そんな精神論…

平井聡一郎著『GIGAにどどまる学校、学校DXに進化する学校』を読みました。

平井聡一郎先生から、ご著書『GIGAにとどまる学校、学校DXに進化する学校』をご恵贈頂きました。 学習系・校務系にまたがる活用事例が満載で、学校の方も、行政の方も、これからのDXに向けたヒントが見つかるはず。 また、最終章の鼎談「学校とデジタルとAI…

熊本市部活動改革検討委員会の中間報告を頂きました。

11月29日に、熊本市部活動改革検討委員会の中間報告を頂きました。その要点は以下のとおりです。 ・・・ 教職員・地域人材で指導を希望する者が指導することを前提に、学校部活動は継続させる。 【基本方針】 Ⅰ こどもたちのスポーツ・文化芸術活動の充実を…

時代とともに変わる資質・能力:「AIの苦手分野が人間の役割」から脱却を

日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いてブログに転載しました。 ・・・ 技術の進歩は、私たちが必要とする資質や能力に絶えず変化をもたらしている。教育の世界ではしばらくの間、知識の暗記よりも、思考力、判断力、表現力や課題解決能力が重要だとい…

身代わりロボットで授業を受ける時代: 助かる子が一人でもいるなら、やる価値はある

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 自分の代わりにロボットが学校に行く…というとSFの世界のように思われるかもしれないが、それが現実になろうとしている。 熊本市では、不登校の子どもがロボットで授業を受けるという実証研究の予…

子ども若者の権利とこども基本法 (子ども若者の権利と政策)が発売されます。

明石書店から「子ども若者の権利と政策」5巻シリーズが出版されます。これからの日本のこども政策の必読書となるよう企画された、意欲的なシリーズです。私も第1巻『子ども若者の権利とこども基本法』の最終章を執筆させて頂きました。第1巻は10月22日発売。…

福島県大熊町の「学び舎ゆめの森」に伺いました。

今日は福島県大熊町で、開校したばかりの「学び舎ゆめの森」(認定こども園、義務教育学校、預かり保育、学童保育の一体施設)と、そこに統合された旧熊町小学校に伺いました。 学び舎ゆめの森は、図書館の中に学校があるという雰囲気です。少人数の良さを活…

石巻市教育委員会、震災遺構門脇小学校に伺いました。

教育委員の皆様と、石巻市教育委員会、震災遺構門脇小学校にお邪魔しました。記憶の伝承と、徹底した防災教育、そして、それだけではない様々なこと。災害は、自然と人間との関わりであると同時に、人間と人間との関わりであることを、どちらのお話からも強…

次期学習指導要領に向けた課題:学校に来る子だけ相手にすればよいのか?

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 次期学習指導要領に向けた議論が始まっているが、これまでの学習指導要領にも、現在の学習指導要領を巡る議論にも、根本的に欠けている視点がある。それは「学校に来る子どもだけ相手にすればよい…

未来の先生フォーラム2023」に参加しました。

8月20日、新宿の桜美林大学で開催された「未来の先生フォーラム2023」に参加しました。この「未来の先生フォーラム」は、熊本市で開催している「Kumamoto Education Week」を構想するきっかけになったイベントです。 2つのプログラムに登壇させて頂きました…

夏休みに休暇が取りやすいよう、年次有給休暇の取得期間を9月〜8月に変更しました。

熊本市立学校では、夏休みに休暇が取りやすいよう、年次有給休暇の取得期間を9月〜8月に変更しました(7月の市議会で条例案が可決)。これまでは一般の公務員と同じ1月〜12月でしたが、9月〜8月にすることで8月末の残り日数が計算しやすくなり、夏休み中にま…

一般社団法人熊本県ドローン技術振興協会様から、学校図書費の寄付を頂きました。

一般社団法人熊本県ドローン技術振興協会様から、学校図書費への多大なるご寄付を頂きました。同協会は、旧松尾東小学校に拠点を置き、日頃から教育支援事業にも力を入れられています。今日は上村雄二郎理事長に、教育委員会からの感謝状を贈呈させて頂きま…

Threadsはじめました

Threadsは500字まで書けるそうで。Twitterの140字にギリギリ収まるように推敲を重ねる苦労がないのは、いいことなのか、悪いことなのか。作文が苦手だった子供の頃、400字詰の原稿用紙が果てしなく長く感じましたが、それより長いんですね。200字くらいで丁…

教育を盛り上げる会「映画『夢みる小学校』上映会&対話会・懇親会」を開催しました。

6月17日(土)に、教育を盛り上げる会「みんなで"ミライの教育”について語りませんか!! 映画『夢みる小学校』上映会&対話会・懇親会」を開催しました。 おかげさまで、教員、保護者、大学生、オルタナティブスクール、企業、NPO、教育委員会など、いつものよう…

AI時代の教育(その2) :義務教育の役割自体の見直しが必要に

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 前回(3月20日付)に引き続き、AIによって教育がどう変わるのかを考えてみたい。 AIがもたらすのは、仕事や社会の在り方の変化であり、産業革命で起きた変化と同等のものといえる。産業革命によ…

G7教育大臣会合プレイベント「富山教育みらい会議」に登壇しました。

昨日は、富山で開催されたG7教育大臣会合プレイベント「富山教育みらい会議」にお招きいただきました。 会場では、中学生、高校生、大学生、教員、保護者など、オンラインでは全国から、多くの参加者で盛況でした。 富山県教育次長の中﨑健志さん、フィンラン…

ChatGPTのセンスに脱帽。

本日の教育委員会会議で、小規模校に学区外から転入できる「小規模特認校制度」の案を報告させて頂きました。 「ハーモニースクール」という、ChatGPTに考えてもらった愛称を会議に出しましたが、意外と好評でした。AI恐るべしですね。 結構センス良いんです…

「教育を盛り上げる会」(久しぶりの)懇親会を開催しました。

4月22日に「教育を盛り上げる会」で久しぶりの懇親会を開催しました。 おかげさまで、とても楽しい時間を過ごすことができました。参加してくださった皆様、本当にありがとうございました❗️ 一次会は50人に参加頂きました。また、白川夜市での二次会、Voyage…

AI時代の教育:必要なのは資質・能力の「向上」ではなく「転換」

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 世界中の教育関係者の間で、AIの劇的な進化が話題となっている。きっかけは、対話型AIのChatGPTの登場である。筆者もよく使っているが、質問にスラスラと回答する様にはいつも驚かされる。その後も…

教育長だより ー 今こそ冷静に見つめたい、コロナ禍と学校の課題

※月刊「日本教育」に寄稿した記事を、許可を得てブログに転載させて頂きます。 今年3月に卒業する中学生・高校生は、コロナ禍が始まってから今の学校に入学した世代である。学校生活の大半をマスクで過ごし、自分の素顔を見せず、友達の素顔を見ないまま卒…

Kumamoto Education Week 2023を開催しました。

1/21-29の9日間にわたり、 Kumamoto Education Week 2023を開催しました。今回の特徴はなんと言っても、4000人以上の子供たちに参加を頂いたことでしょう。参加してくださった皆様、企画・運営に携わられた皆様、本当にありがとうございました。引き続き、こ…

教育長だより ー 遊びと学習

※月刊「日本教育」に寄稿した記事を、許可を得てブログに転載させて頂きます。 先般、ご縁があって「あそび庁」のアンバサダーに就任させて頂いた。あそび庁といっても、国の役所ではなく、民間団体(一般社団法人)である。最初に見た時には、そんな名前ア…

こども家庭庁の発足:地方自治体も体制整備を進めよう

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 本年4月1日、内閣府の外局として「こども家庭庁」が発足する。こども家庭庁には、これまで各省庁が別々に行ってきたこども政策の総合調整を担い、こどもの視点に立った政策の司令塔としての役割…

教育長だより ー いつの間にか今年も終わり

※月刊「日本教育」に寄稿した記事を、許可を得てブログに転載させて頂きます。 早いもので、今年ももう年の瀬が迫ってきた。つい最近2022年になったばかりのような気がするのに。年々、一年が経つのが速くなっている気がする。 では、一瞬にも思えるこの一年…

教育長だより ー まちづくりの中での教育の位置づけ

※月刊「日本教育」に寄稿した記事を、許可を得てブログに転載させて頂きます。 熊本は今、TSMC(台湾積体電路製造)という巨大半導体企業の工場誘致に湧いている。今年8月末時点での時価総額が世界第10位と、日本最大の某自動車メーカーをはるかに凌ぐ巨…

文科省「問題行動調査」―自治体ごとに違う「不登校」の基準:「長期欠席」に一本化し支援を行き渡らせて

※日本教育新聞に寄稿した記事を、許可を頂いて転載します。 先月、文科省から「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が発表された。各メディアも一斉に不登校が過去最高の24万人だと報道した。 しかし、この不登…

中西茂さん出版記念イベント:教育開発研究所 オンライン対談「2023年の教育行政を展望する」

中西茂さんには、文科省時代からもう20年ほどお世話になっています。このたび、中西さんの出版記念イベントということで、対談をさせて頂くことになりました。ファシリテーターは中楯浩太さんです。 12月24日(土)10:00からオンライン開催です。よろしくお…

教員の懲戒処分について

昨日、平成26年度から30年度までの間に42件の体罰・暴言・不適切な言動を行った本市の教諭を懲戒免職処分としました。 また、詳細調査委員会の報告書において、一人の生徒が自ら命を絶つという悲しい事件について、その一因に教諭の不適切な指導が強く影響し…

入間市に行ってきました

私が育った埼玉県入間市を訪問し、杉島理一郎市長と懇談させて頂きました。 入間市も熊本市も、「SDGs未来都市」に選定されています。もちろん両市には大きく違う点もありますが、共通の課題もたくさんあるように感じました。 また、旧知の片山清宏さんが入…