教育長ブログ

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北欧教育研究会編著『北欧の教育最前線―市民社会をつくる子育てと学び』(明石書店)を読みました。

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編著者の一人である信州大学准教授の林寛平先生からご恵贈頂きました。現地でしかわからないリアルな北欧各国の教育事情が描かれており、中でもスウェーデンに重きが置かれています。

スウェーデンに関する記述では、例えば、民主主義や政治参加に関する学校での実践は大いに参考になります。政治に関心がある若者の比率が特に高いわけではないのに、若者の投票率が極めて高い(85.0%)という事実は、学校教育の役割の大きさを物語っています。一方で、日本同様かそれ以上に激しい教員不足に悩まされていることなど、考えさせられる内容もあります。

スウェーデン以外の国の事情についても紹介されていて、北欧各国の中でも制度や考え方が違う部分があることがわかります。全体として、日本とは違うやり方を知ることで、外の視点から日本の学校の良さや課題について考え直す、良いきっかけになる本だと思います。