辻和洋・町支大祐編著、中原淳監修『データから考える教師の働き方入門』を読みました。
横浜市教育委員会と立教大学中原淳研究室の共同研究をまとめた書。「データに基づけ、しかし、リアルな物語を編め」をコンセプトとしていて、タイトルからは小難しい内容かと思いきや、とても読みやすく、サクサク読み進められます。
実際にどんな特徴を持った教員の在校時間が長い/短いのか、などをデータに基づいて示している点は説得力があります。一方で、データ自体は、横浜市の教員限定であることと、回答率がそれほど高くないことから、他自治体にとっては、あくまでも参考程度と考える方がよいように思います。
1万数千人の横浜市立小中学校教員のうち、約千人に対する抽出調査で、教員の回答数が521人(回答率54.9%)となっています。教育委員会が行う調査ならもう少し回答率が高くてもよさそうに思いますが、何か事情があったのでしょうか。
というわけで、厳しめにいえば「データ」よりは「物語」の方がメインの書だと感じましたが、面白く読めます。