「こんな人いたんだ」というのが素直な感想です。
熊本出身で50代から独学で絵を描き始めた塔本シスコさんの展覧会「シスコ・パラダイス」が熊本市現代美術館で開催中です。
独学という経歴や素朴な画風は、(特に上の絵など)アンリ・ルソーっぽいところがありますが、歳を経るにつれて、もっと明るく、もっと大胆で、もっと強烈になっていきます。
とにかくエネルギッシュで明るい絵に圧倒されること間違いなし。まさにパラダイスの名にふさわしい展覧会です。絵の中に年齢が書いてあるものも多いのですが、これは80才!こっちは90才!と驚くしかありません。
こんなに明るく歳を取れたらいいな、と思ってしまいます。ちなみに上の2つは、88才で倒れて元気がなくなった後の絵だそうです。言葉がありませんね。他にも、不知火海、花岡山、阿蘇など、熊本を描いた絵も見逃せません。
しかもこの展覧会は、写真撮影自由です。さらに素晴らしいのは、空いていること。熊本市職員としてはやや微妙な気持ちではありますが、この贅沢な空間を独占できるのはたまらない魅力です。ソーシャル・ディスタンスも取り放題。
しかし、今度の日曜日(2月20日)には、NHK Eテレの日曜美術館で取り上げられる予定です。その後は、きっと混むに違いありません。たぶん混むんじゃないかな。混むといいな...。4月10日まで開催です。熊本の方はぜひ。一見の価値ありです。