教育長ブログ

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国立教育政策研究所の教育改革国際シンポジウム

2月16日に開催された国立教育政策研究所の教育改革国際シンポジウムで、熊本市から教育センター副所長の本田が発表させて頂きました。

 

ICTを活用した公正で質の高い教育の実現」というテーマのシンポジウムで、熊本市は「『できるところからやる』ことが、全体のレベルアップにつながる」という理念を掲げて発表を行いました。

 

この「できるところからやる」という方法が、公正で質の高い教育にどうつながるのか、2人の先生(柏木智子・立命館大学教授、石井英真・京都大学准教授)は、やや苦労されながら(そして熊本市の発表に気を遣いながら)講評やその後の発表をされたような印象を持ちました。

 

最大限好意的に解釈下さったという点は有り難いのですが、石井先生の「非常時の対応としては妥当性が検討されても、恒常的な原理としては格差是正機能を軽視することになりかねない」という主張には、明確に「違う」と申し上げなければなりません。

 

なぜなら、「できるところからやる」ことで我々が蓄積し、再分配しようとしているのは、富や能力ではなくノウハウだからです。ノウハウは、富のように分けても減りませんし、能力のように分配困難でもありません。誰かが先に得たノウハウは、原理的には無限に共有可能です。

 

また、できる「人」からやるのではなく、できる「ところ」からやる、と言っているのは、個人単位ではなく、主に学校・学級単位で考えて、先に進んだところのノウハウの再分配を目指しているわけです。

 

特に教育ICTに関しては、まだノウハウが少ないので、先にできるところが様々なノウハウを開発して、それを皆で共有すれば、もっと全体が良くなります。私達は、熊本市内の学校はもちろん、熊本市のノウハウを他の自治体とも共有して、全国や世界の教育のレベルアップに貢献することを目指しています。それが熊本市モデルです。

 

「できるところからやる」「できたところのノウハウを共有する」ことで、全体がレベルアップするというのは、こういう意味です。なので、我々はこれからも、非常時でも平時でも安心して「できるところからやる」を追求していきます。

 

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