「九州ICT教育支援協議会2019」でのプレゼンを紹介します。
6月22日、熊本大学での「九州ICT教育支援協議会2019」で行ったプレゼンを紹介します。これからの学校がどんな姿になるかというテーマで、10分間でしたので、簡単にお話をさせて頂きました。なお、当日伝えきれなかったことも含め、少しアレンジしています。
①学習の形態
学校で行われている学習の形態を分類すると、教科学習(系統学習)/探究学習(問題解決学習)という軸と、個別学習(個人で学ぶ)/協同学習(グループで学ぶ)/一斉学習(全員で学ぶ)という軸が考えられます。これらを並べると、上の6種類に分類できます。
②実際の学校での活動
この6種類の分類に、実際の学校の活動を当てはめると、こんな感じになります。もちろん学校によって異なりますが、典型的な事例を挙げています。修学旅行は班別行動、学校行事は運動会・文化祭や合唱コンクールなどのイメージです。
③実際の学校での活動
つまり、これまでの学校も、すべての学習形態を網羅しており、かなり考えられたシステムだということです。ただし、問題はその「割合」です。
④実際の学校での活動
典型的な学校では、「一斉・教科学習」の時間が多くを占めています。学校生活で最大の時間を占めるのが授業で、その多くが一斉授業です。もちろん、実際の割合は学校によって違うので、あくまでイメージです。
⑤学び合い重視の学校
例えば、教科学習と探究学習の比率はそのまま変えずに、一斉学習を減らして子供たちの学び合いを重視する学校のカリキュラムは、こんな感じになります。こういう取組をしている先生や学校もあると思います。
⑥探究重視の学校
また、教科学習と探求学習の比率を変えて、探究学習を重視した学校のカリキュラムは、こんな感じになります。固有名詞は出しませんが、国内外に探究学習(プロジェクト学習)中心の学校はできています。
⑦協同重視の学校
例えば、午前中は教科学習、午後は探究学習の時間として、異年齢の協同学習を重視する、といった学校は、こんな感じになるでしょう。固有名詞は出しませんが、こういう学校も国内外にあると思います。
⑧個人に合わせてカスタマイズできる学校
さらに、こうした学習の形態を、「個人に合わせてカスタマイズできる」のが、これからの学校の姿になると思います。例えば、教科学習は一斉学習の方が学びやすく、探究学習は一人でじっくり取り組みたい、という人の場合はこんな感じ。
⑨個人に合わせてカスタマイズできる学校
教科学習はドリルなどを個人でどんどん進めて、探究学習はグループでやりたい、という人の場合はこんな感じ。
⑩個人に合わせてカスタマイズできる学校
とりあえず今は一人でとことん探究したい、昆虫の研究にのめり込んでます、という人の場合はこんな感じ。こういう時期があってもいいでしょう。
⑪個人に合わせてカスタマイズできる学校
人によっては、今までの学校に近い形がいいという人もいるかもしれません。それもアリでしょう。
⑫個人に合わせてカスタマイズできる学校
このように、各個人が、様々な学びの形態を自在に行き来できる。そんな学校が、これからの学校の姿になると思います。
⑬まとめ
このように、「学習の形態」という視点で分類すると、既存の国内外の学校や、これから創ろうとする学校のイメージが可視化できるのではないでしょうか。未来の学校像を聞いて、「タブレットで黙々とドリルをやるだけ?」とか、「探究だけやってて大丈夫なの?」みたいな疑問・不安の解消にも役立つかもしれません。
なお、今回は短いプレゼンでしたので、「何を学ぶか」や「どこで学ぶか」については一切触れていません。それらにもまた、数々のバリエーションがあるはずです。これらも加えれば、本当にバラエティーに富んだ学びが、個人に合わせてカスタマイズできる可能性があると思います。