教育長ブログ

文科省→起業→熊本市教育長。43歳。教育長の仕事をしながら、考えたことを書いてみます。

よく「不易と流行」と言うけれど...

学校関係者の間では、「不易と流行」という言葉がよく使われます。私もたまに使います。不易(時代をこえて変わらないもの)と、流行(時代とともに変化していくもの)ですね。最近特に、ICTや英語教育といった文脈で使われることがあります。

しかし、よく考えてみれば、「近代学校制度」そのものが、時代の変化の中で成立した「流行」です。私自身、その認識をあまり持たずに、この言葉を使っていたように思います。

「不易と流行」という言葉は、臨教審が松尾芭蕉を引用してから広まったと言われますが、臨教審の頃の使い方を見ると、文明論です。近代文明とは...といった文脈で使われています。

したがって、「不易」は、学校の伝統とか、授業の基本とか、そんな話ではなく、「時代をこえて」変わらないもの。江戸時代とか、中世とか、そういうレベルの「時代」です。

千歳不易。千年経っても変わらないもの。例えば、論語の時代から今まで変わらない教育論ならば、「不易」でしょう。そういう意味で、ICTや英語教育が「流行」であることは間違いありませんが、そもそも教育を「学校」という手段で行うこと自体が、せいぜい150年程度の「流行」です。今から150年後もそうである保証は、全くないわけです。

「不易と流行」。あんまり安易に使わない方がいいなと思いました。近代学校ができるずっと前から、教育は行われていたわけですから。