政策作ってる人のブログ

政策をつくる仕事をしながら、考えたことを書いてみます。

熊本地震ボランティアの備忘録

4月23, 24日と熊本にボランティアに行ってきました。熊本は私が2年間県教委に勤務した土地です。今回は、その当時お世話になった方が運営している避難所をお手伝いしたほか、益城町嘉島町熊本市宇土市宇城市八代市などの被害状況を見てきました。渋滞を避けるため、22日夜に鹿児島空港から人吉に入り、人吉を拠点に熊本方面と往復するルートを選びました。

そこで今回気付いたことを備忘録的に書いておきたいと思います。あくまでも今回私が見聞きした範囲の話なので、今回の地震でも阿蘇地方や、別の災害には必ずしも当てはまらない内容もあると思います。すべて、私が直接見たこと、当事者・同行者から直接聞いたこと、あとは私の意見です。

 

(被害状況について)

・被害が大きい範囲は局地的で、断層に沿って線状に分布している。すぐ隣でも無事の地域と被害が出た地域がある。益城町の一部は街がひっくり返ったような惨状。

・本震から1週間が経ち、街は通常に戻りつつある。水が出ない地域から車で5分も行けば、普通に営業しているコンビニやスーパーがある。

・余震も当初より落ち着いてきている。たまたまかもしれないが、この2日間は恐怖を感じるような余震はなかった。

 

(避難所について)

・避難所にいるのは、高齢者から子供まで、要介護の人から刺青の男性まで幅広いが、高齢者が圧倒的に多い。余震が怖いので夜だけ避難所に来るという方も多く、夜はかなり人が増える。避難所の駐車場で車中泊の人も多い。

・避難所によって環境の差も大きい。ホールなど大きなスペースが損壊して立入禁止になっていて、廊下に寄り集まって寝ている避難所もある。

・現場に権限がなく物事が円滑に進まない場合もある。一方で、食中毒などの責任を取れないので炊き出しは行政がやらず、民間にお願いしている。

・わざわざ水の出ない地域の避難所で厳しい生活をするよりは、広域(といっても隣町なら車ですぐ)に避難させるのが県の役割ではないか。ホテルや客船を借り上げて希望者に提供しているが、イマイチ反応が悪そう。避難所ごと移転するくらいでないと効果が出ないのではないか。

・街が通常に戻るにつれて、行政は、物資を支援するより、避難所の長にお金を渡して「必要な物を買って下さい」という方が効率的になるかもしれない。コンビニやスーパーまで車で行けない人のために、コンビニ等が避難所に臨時出店するのも効果的なのではないか。

 

(ボランティアについて)

・強い被害は局地的なので、そこまで大量のボランティアが必要な状況ではない。ボランティアセンターに並んだけれど受付が締め切られたという人も多くいた。県外からボランティアセンターだけを頼って行くと、空振りに終わる可能性がある。

・ただし、家屋の被害は広範囲なので、家屋の片付けが本格的に始まればある程度ニーズはありそう。現在は家屋の損壊状況の調査が終わっていないので、片付けられない(入れない)家が多い。

 ・多くの自治体は社会福祉協議会社協)がボランティアの受入窓口となっているが、通常業務は高齢者福祉が中心であり、ボランティアのコーディネートをする能力が高いとは限らない。こんな時でも5時に定時で帰ってしまう(全員が常にそうなのかは不明)。別組織を作るのも一案ではないか。

 

(交通について)

・福岡から熊本へのルートは渋滞が激しいようだが、鹿児島からのルートはそうでもない。八代までの高速はガラガラ。幹線道路以外もほぼガラガラ。初期段階から南回りの輸送ルートを活用した方がよかったのではないか。

・平らだった道路は各所で波打ったりヒビが入ったりしている。地盤が沈下して橋だけ高さがズレている所も多い。ただし、幹線道路は応急の補修が大体終わっている。

・幹線道路は渋滞しているが、あまり細い道に入りすぎても、通行止めが多く余計に時間がかかる可能性がある。

・やはり高速道路と新幹線は偉大。移動・輸送のスピードが全然違う。開通すると日常が戻ったという安心感も大きい。

 

(支援物資について)

・行政の支援が滞っている場合、「物資がない」と声を上げるのは効果的。校庭に字を書いた例でもSNSでの発信でも、誰かの目にとまり行政に伝わるほか、民間ベースで直接の支援が来ることもある。何も言わないで待つより支援が来る確率が高いことは間違いない。

SNSによる発信は、個人や行政担当者の目にとまるだけでなく、有力議員の目にとまる→行政に問い合わせる(ねじ込む?)→すぐ物資が来る、というルートもあることが分かった(笑)

・民間の支援はスピードが、行政の支援は公平性と漏れのなさが長所。どちらも必要。支援分野によっては、最初から民間主体にして行政が補完するという役割分担にしておくことも可能ではないか。

・今回は、行政が物資を一カ所に集約しようとしてかえって停滞した印象。結果的に、民間の1対1の支援の方がより早く、よりニーズを反映している面もある。拠点を作るなら被災地以外にして、そこから直送する方がよい。

 

(その他)

・不審者の目撃情報が多い。注意の張り紙が避難所にも張ってあった。消防団などが見回りをしている。

・新築した学校は無事だったが、耐震補強をした学校は損壊した所もかなりあった(場所のせいなのか、耐震性のせいなのかは今のところ不明)。

・断層に近い秋津川は、14日の前震の後(16日の本震の前)にチョコレート色に濁り、ものすごい異臭がした。